2025.08.20
【採用担当者向け】採用ブランディングとは?中小企業こそ考えるべき理由と5つのステップを解説
「求人広告を出しても、応募が来ない…」 「応募はあるけど採用率が悪い」「他社に比べて給与が低いので負けている…」 こうした採用の根深い悩み。原因は「給与」や「知名度」だけにあるのではなく、「会社の本当の魅力が、求める人材に正しく伝わっていない」こと、つまり「採用ブランディング」の欠如があるのかもしれません。
この記事では、長年採用市場で数多くの中小企業の採用を支援してきた天職市場が、「採用ブランディング」の重要性、そして採用を成功に向かうための考え方と実践法を紹介します。
そもそも採用ブランディングとは?
採用ブランディングとは、「自社で働くことの魅力」を定義し、それをターゲットとなる求職者に伝え、共感を呼ぶことで、自社にマッチした人材から「選ばれる」ための戦略的な活動全般を指します。
目指すのは、単に知名度を上げて応募者を増やすことではありません。自社が求める価値観やスキルを持つ人材に「この会社で働きたい」と強く思ってもらい、企業側も自信を持ってその人材を選ぶ、企業と求職者の対等で幸福なマッチングを実現することが目的です。
なぜ今、中小企業にこそ採用ブランディングが必要なのか?
「ブランディングなんて、大手企業がやることだろう?」と思われるかもしれません。しかし、リソースが限られている中小企業にこそ、採用ブランディングは強力な武器となります。
理由1:「知名度」や「条件」で勝負しなくて済む
採用市場において、知名度や給与条件で大手企業と真っ向から勝負するのは得策ではありません。しかし、「経営者との距離の近さ」「事業の社会貢献性」「風通しの良いカルチャー」「若手でも裁量権が大きい」といった、大手にはない独自の魅力を発信することで、その価値観に共感する人材を引き寄せることができます。
理由2:入社後のミスマッチを防ぎ、定着率が向上する
企業の魅力だけでなく、ときには課題や泥臭い部分も含めて、ありのままの姿を発信することで、求職者は入社後の働き方をリアルに想像できます。これにより「こんなはずじゃなかった」という入社後のミスマッチが減り、社員の定着率向上、ひいては経営全体の強化に繋がります。
理由3:社員のエンゲージメントと誇りを醸成する
「私たちの会社は、社会に対してこんな価値を提供している」「こんな想いを大切にしている」という共通認識は、既存社員のエンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)を高めます。自社への誇りが生まれ、社員一人ひとりが意識を高めて業務を繋げていくことも効果として期待できます。
【実践】採用ブランディングを成功させる5つのステップ
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。私たちは、以下の5つのステップで進めることを推奨しています。
ステップ1:現状分析(己を知る)
まずは自社の棚卸しから始めます。経営理念やビジョンはもちろん、「自社の本当の強みは何か?」「社員はどんな時にやりがいを感じるか?」「社内の雰囲気は?」といった点を、経営層や採用部門だけでなく、現場の社員にもヒアリングして洗い出します。
ステップ2:競合・市場分析(外部環境を知る)
次に、採用市場で競合となる企業がどのような条件で、どのようなメッセージを発信しているか、また、求職者が企業選びで何を重視しているかを調査します。自社の立ち位置を客観的に把握することが目的です。
ステップ3:EVPの定義(提供価値を定める)
ステップ1と2を踏まえ、EVP(Employee Value Proposition=従業員価値提案)を定義します。これは「この会社で働くことで得られる、他社にはない独自の価値」のことです。例えば、「安定」ではなく「成長の機会」、「給与」ではなく「社会貢献への実感」といった、貴社ならではの価値を明確な言葉にします。これがブランディングの揺るぎない「軸」となります。
ステップ4:ターゲット(ペルソナ)の設定(誰に伝えるか決める)
定義したEVPに、最も共感してくれるであろう理想の人物像(ペルソナ)を具体的に設定します。年齢やスキルだけでなく、「どんな働き方をしたいか」「どんな価値観を大切にしているか」といった内面まで深く掘り下げることで、メッセージが格段に届きやすくなります。
ステップ5:情報発信・チャネル選定(どう伝えるか)
いよいよ情報発信です。設定したペルソナが普段どこで情報を得ているかを考え、最適なチャネル(SNS、採用サイト、求人広告、イベント等)を選びます。そして、ステップ3で定めたEVPを軸に、全てのチャネルで一貫したメッセージを発信していくことが重要です。SNSでの発信と採用サイトの内容が連動しているか、といった視点が成功を左右します。
魅力を伝えるコンテンツとチャネル戦略
コンセプトやペルソナが固まったら、いよいよそれを「伝わる形」にして届けるフェーズです。ここで重要になるのが、動画や記事といった「コンテンツ」の制作と、SNSや採用サイトといった「発信チャネル」の戦略的な活用です。
なぜ今、動画や記事コンテンツが重要なのか?
現代の求職者は、求人票のテキスト情報だけを鵜呑みにしません。企業のSNSや公式サイトを自ら探し、「リアルな情報」を貪欲に求めています。
●動画コンテンツ: 社内の雰囲気や社員の人柄、オフィスの様子といった「空気感」を直感的に伝えられます。テキストでは伝わらないリアルな情報を届け、イメージとのギャップを払拭するのに最適です。
●記事コンテンツ: 社員インタビューや社員同士の関係などを通じて、社員一人ひとりの「想い」や「ストーリー」を深く伝えられます。良い悪いも記載することで、共感を生み、企業の価値観や社員の人間性を訴求するのに効果的です。
これらのコンテンツがあること自体が、企業が「採用に本気である」ことの証明にもなります。
SNSと採用サイトの戦略的な使い分けが成功の鍵
コンテンツを作っても、届ける場所が適切でなければ意味がありません。SNSと採用サイト、それぞれの役割を理解し、連携させることが不可欠です。
●SNSの役割 =「出会いの場」「興味の入り口」
YoutubeやInstagramのショート動画、X(旧Twitter)での日常風景の発信などを通じて、まずは企業の存在を知ってもらい、気軽に興味を持ってもらうためのチャネルです。転職をまだ考えていない「潜在層」へのアプローチに最適で、企業の「人柄」を伝える場所と言えます。
●採用サイトの役割 =「理解を深める場」「応募の受け皿」
SNSで興味を持った求職者が、次に訪れるのが採用サイトです。ここでは、作り込まれた社員インタビュー記事、詳細な事業内容、企業理念などを掲載し、より深い企業理解を促します。企業の「本気度」を伝え、応募や選考をプッシュする役割を担います。
求人広告に加え、この2つを連携させ、SNSから採用サイトへ、採用サイトからSNSへとスムーズに行き来できる導線を設計することが、採用ブランディングにおける情報発信戦略の要となります。
まとめ:採用ブランディングは、企業の未来への投資です
採用ブランディングは、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、小手先の採用テクニックとは異なり、一度確立すれば企業の永続的な資産となります。それは、採用力の強化に留まらず、組織全体を強くする、未来への最も確実な投資と言えるでしょう。
「自社の魅力」が何か分からない。そんな時はご相談ください。
「ブランディングの重要性はわかったが、何から手をつければいいか…」 「自社の強みと言われても、客観的に見つけるのは難しい」
そのように感じていらっしゃるなら、ぜひ一度天職市場にご相談ください。
私たちは、単にWebサイトを作る会社や、SNSを運用する会社ではありません。長年の求人広告事業で培った「数多の企業と求職者を見てきたノウハウ」を持って、貴社の中に眠る“本当の魅力”を掘り起こし、それを求める人材に届けるためのコンテンツを制作、採用スキームを構築し、採用を成功へと導きます。
無料相談では、貴社の現状をヒアリングさせていただき、「まず何から着手すべきか」の簡単な提案もいたします。貴社の採用が成功へと向かう第一歩を、私たちが全力でサポートします。