2025.08.27
【採用担当者向け】応募者と連絡がつかない、面接バックレを防ぐには?面接率を上げる改善策を紹介
「求人広告から応募は来るのに、なぜか面接に繋がらない…」 「面接が決まっても、当日に連絡なく来ない『面接バックレ』に頭を悩ませている…」
応募者対応に時間とコストを割いているにもかかわらず停滞してしまう。この悩みは、規模や業界を問わず、多くの企業で感じていることではないでしょうか。
この記事では、多くの企業の採用を支援してきた弊社の視点から、この問題を「採用CX(候補者体験)」という、より深い視点で捉え直し、明日から実践できる対応策を紹介します。
本質は「採用CX(候補者体験)」の設計に失敗している
まず最初に、この問題を「連絡がつく・つかない」という表面的な事象ではなく、「応募者が貴社と最初に接点を持つ体験(=採用CX)の質が低い」という、より本質的な課題として捉える必要があります。
採用活動は、以下のような「ファネル」で考えられます。
[認知] → [興味] → [応募] ▼ [面接] → [内定] → [入社]
多くの企業は、[応募]の数を増やすことに注力しますが、[応募]から[面接]へのステップこそ、最も候補者が離脱しやすい「大きな穴」なのです。応募者は、応募した瞬間から「この会社は自分をどう扱ってくれるのか」を見ています。この段階での時間経過や対応の良し悪しによって、期待の変化が起こり、最悪の場合「面接バックレ」という結果を引き起こします。採用市場が激化する中、一定数面接バックレはあると割り切って放置したままでは、いくら広告費をかけて応募が入っても、ザルで水をすくうようなものです。
この視点に立ち、応募後連絡がつかない3つの現実を改めて見てましょう。
応募後連絡がつかない3つの現実
1. 求職者は「御社だけ」を見ているわけではない現実
売り手市場の中、求職者は複数の求人に応募するのが当たり前です。ワンクリックで数十社に応募できる「一括応募」機能を備えた媒体も少なくありません。そのため、応募があったとしても、求職者の意識は「先に連絡をくれた企業」「先に面接を設定できた企業」へと向かいます。連絡が少しでも遅れれば、求職者は貴社に応募したことすらも忘れ、知らないうちに候補から外されてしまっているかもしれません。
2. メールは「ほぼ見られていない」という現実
昨今多くの方が、メルマガや通知、迷惑メールなどで未読通知が数百、数千と溜まっているのではないでしょうか。求職者にとって、企業からの応募受付メールは、その数千通に埋もれてしまう1通でしかありません。無視しているのではなく、シンプルに「気づいていない」可能性があります。
3. 知らない電話番号には「基本は出ない」という現実
電話連絡も今や、知らない携帯電話番号からの着信は「何らかの営業か、もしくは詐欺かもしれない」と警戒する時代です。特にLINEでのやり取りがメインの若い世代ではその傾向は顕著です。更に各キャリアの迷惑電話ブロック機能により、企業側が電話をかけても、求職者の端末に着信履歴すら残らないケースさえあります。
明日からできる!面接率を上げ、「面接バックレ」を防ぐ5つの改善策
採用CXを向上させるという視点に立ち、具体的な5つの改善策をご紹介します。
1. 改善策1:電話をかける前に「この番号からかけます」と予告する
最もシンプルかつ効果的な方法です。求人原稿の目立つ場所(できれば複数箇所)に、「ご応募後、弊社からは〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇の番号でご連絡します」と明記してください。「ここから電話が来る」と事前に刷り込んでおくだけで、求職者の警戒心は解け、電話に出てもらえる可能性が上がります。
2. 改善策2:「SMS」を“自動化”で活用する
応募直後の連絡は、スピードと確実性が命です。しかし、担当者が手動で対応していては限界があります。 ATS(採用管理システム)などを活用し、応募があった瞬間にサンクスメールとSMSが自動送信される仕組みを構築しましょう。これにより、連絡の遅れや漏れといった人為的ミスがゼロになり、担当者はその後の「人間的なコミュニケーション」に集中できます。
3. 改善策3:応募後「30分以内」の素早いレスポンスを徹底する
応募があったら、30分以内に最初の連絡(ファーストアクション)をしてください。あるデータでは、応募から30分が経過すると、連絡がつく確率は半分にまで落ち込むと言われています。 今の求職者は、複数の企業に同時に応募するのが当たり前です。貴社からの連絡を待っている間に、他社の選考が進んでしまうのです。スピードは、それだけで強力な差別化になります。
4. 改善策4:「事務連絡」ではない「惹きつけトーク」を実践する
電話が繋がった最初の30秒が勝負です。ここで候補者の心を掴めるかどうかで、その後の選考参加意欲が大きく変わります。
「〇〇株式会社の採用担当です。先日ご応募いただいた件ですが、面接の日程調整をさせていただきたく…」
(→事務的で、誰にでも同じことを言っている印象を与えます)
「〇〇様でいらっしゃいますか?わたくし、〇〇株式会社の採用担当、〇〇と申します。この度は、数ある企業の中から弊社にご応募いただき、誠にありがとうございます!〇〇様のご経歴を拝見し、ぜひ一度直接お話をお伺いしたいと思い、急ぎご連絡いたしました。今、2〜3分ほどお時間よろしいでしょうか?」
(→ 感謝・敬意・特別感を伝えることで、「ちゃんと自分を見てくれている」という安心感と期待感を醸成します)
この人間的な繋がりこそが、候補者の志望度を高め、安易な「面接バックレ」を防ぐ最も効果的な抑止力となります。
5. 改善策5:応募フォームで「希望の連絡手段」を確認する
究極的には、候補者が最も望む方法で連絡するのが一番です。求人媒体の応募フォームをカスタマイズできる場合は、「希望の連絡時間帯」や「希望の連絡方法(電話、SMS、メール)」といった項目を追加しましょう。 候補者の都合に合わせるという、この小さな配慮が「候補者想いの良い会社だ」という印象を与え、採用CXを大きく向上させます。
6. 改善策6:応募後の連絡に「動画・記事コンテンツ」を添える
応募受付のメールやSMSを送る際に、ただテンプレートのような事務的な案内を送るだけではもったいないです。社員インタビュー記事や、オフィスの雰囲気がわかる動画、面接担当者からのメッセージなどのURLを一緒に送りましょう。 求人広告だけでは伝わらない「リアルな魅力」に触れてもらうことで、候補者は面接までの間に企業理解を深め、「この人たちに会ってみたい」という面接への意欲を自然に高めてくれます。これは、他社との差別化にも繋がります。
【根本解決】すべての土台となる「採用ブランディング」
前述の5つの改善策は、多少の改善に効果的ですが、これらは応募後の離脱を防ぐための「対症療法」です。 連絡がつかない、面接に来ないという問題の根本原因は、応募者の「この会社で働きたい」という志望度が、応募時点で十分に高まっていないことにあります。
そこで最も重要になるのが、「採用ブランディング」という考え方です。 これは、自社の魅力や働く価値を明確にし、他社との特徴を差別化することで、「なんとなく応募」ではなく「貴社だから働きたい」という応募者を集めるための戦略です。
採用ブランディングが成功すれば、応募者の質が変わり、「温度感の高い応募」に繋がります。最初から貴社を強く志望しているため、連絡を心待ちにしており、連絡不通のリスクや面接バックレの可能性は低減します。
まとめ:採用CXの視点が、これからの時代の採用活動を左右する
応募後に連絡がつかない問題や、面接バックレという悲しい結果は、単なる「連絡のテクニック」の問題ではありません。その根底には、応募の質を上げる「採用ブランディング」と、応募後の体験を向上させる「採用CX」の視点が不可欠です。
これらを仕組みとして構築し、会社全体で取り組むことが、これからの採用競争を勝ち抜くための鍵となります。
採用CXの設計から、採用成功までを一気貫通で支援します
「紹介されたノハウは分かったが、自社だけで仕組みを構築するのは難しい…」
「面接バックレを防ぐための、根本的な惹きつけ方がわからない」
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
貴社の魅力を最大限に引き出す採用ブランディングから、応募者を惹きつける採用サイトの構築、そして今回解説した「面接バックレ」を防ぐための採用CXの設計と実行まで、採用活動全体を連動させた戦略的な仕組みづくりを得意としています。
▽詳しく解説したYouTube動画はこちら
「【悲報】その応募者への連絡、9割が無駄になっています」
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