COLUMN 採用お役立ちコラム

2025.09.26

【採用担当者向け】派遣の応募が減った?応募が来ない理由と、明日からできる対策を紹介

「多くの案件を抱えているのに、応募が減っている…」 「広告費をかけても反応が薄く、費用対効果が悪化している…」 「人手不足なのに、なぜ自社には人が集まらない?」
このような状況に、疑念と危機感を抱いている派遣会社の経営者様、採用担当者様は多いのではないでしょうか。
応募が来ないのは、媒体や景気だけのせいではありません。その背景には、採用市場と派遣業界が直面している、構造的な変化が存在します。
この記事では、まず現在の採用市場で何が起きているのかを解説し、その上で応募が来ない理由と、応募が集まる派遣会社へとアップデートするための対策を紹介します。

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【2025年最新】派遣会社の採用市場と、応募減の背景

まず、なぜ今、これほどまでに派遣スタッフの確保が難しくなっているのでしょうか。そこには、市場の4つの大きな変化があります。

1. 「人手不足」なのに「倒産」が増えるパラドックス
日本全体が深刻な人手不足に陥っており、派遣の需要は依然として高い水準にあります。にもかかわらず、大手信用調査会社の報告によれば、労働者派遣業の倒産は過去最多ペースで推移しているのが現実です。 これは、もはや「案件さえあれば儲かる」という時代ではないことを示しています。人件費や募集コストは高騰する一方、厳しい価格競争で派遣料金への転嫁は難しい。結果、「人手は足りないが、人を採用すればするほど赤字になる」という、深刻なジレンマに陥っている企業が増えているのです。

2. 採用チャネルの多様化と「直接雇用」との全面競争
かつて、派遣の仕事探しは専門の求人媒体が主流でした。しかし、Indeedのような求人検索エンジンの登場により、その垣根は完全に取り払われました。 求職者の画面には、派遣の仕事も、正社員やアルバイトの仕事も、同列で表示されます。勤務地や給与が似ていれば、より安定した直接雇用を選ぶのは自然な流れです。派遣会社は今、他の派遣会社だけでなく、地域のあらゆる企業と人材を取り合う時代に突入しています。

3. 「スキマバイト」の台頭と働き方のさらなる多様化
スマートフォンのアプリ一つで「働きたい時に、働きたい時間だけ」働けるスキマバイト(ギグワーク)が急速に普及しています。これは、「プライベートを最優先し、空いた時間で働きたい」と考える層にとって非常に魅力的な選択肢です。 これまで派遣が担ってきた短期・単発の仕事領域において、より手軽で自由度の高いスキマバイトは当然競合となり、派遣スタッフ候補の人材プールを取り合う存在となっています。

4. 働く価値観の変化とZ世代の台頭
現代の働き手の中心であるZ世代は、仕事に対して旧来の世代とは異なる価値観を持っています。 彼らにとって、仕事は人生の最優先事項ではなく、「安定」や「プライベートとの両立」を重視します。キャリアアップを謳うよりも、「この会社(仕事)は、自分の理想のライフスタイルを実現するための手段となるか?」という視点で企業を見ています。この価値観の変化を理解せず、旧来の給与だけのメッセージを発信し続けても、響かないことが多くなっています。

派遣に応募が来ない理由とは?

では、こうした市場の変化を踏まえた上で、自社に応募が来ない具体的な理由を見ていきましょう。

理由1:「直接雇用」の求人に負けている
Indeedのような求人検索エンジンでは、派遣の仕事は正社員や契約社員の仕事と同じ土俵で比較されます。給与や勤務地が同条件であれば、候補者がより安定した直接雇用を選ぶのは自然なことです。「派遣ならではの魅力」や「この派遣会社を通じて働く価値」を明確に示せていないと、候補者の選択肢にすら入れません。

理由2:求人原稿の「質」がAIと求職者の両方から評価されていない
現在の求人サイトは、AIが求人原稿の「情報の質と量」を評価し、求職者への表示順位を決めています。多くの派遣会社が使いがちな、具体的情報が少なく、どの案件も同じに見える「薄い」求人原稿は、AIに「質が低い」と判断され、候補者の目に触れる機会を失っています。また、候補者自身も、魅力の伝わらない原稿を読み飛ばしてしまいます。

理由3:提示している「働く価値」がズレている
そもそも、派遣という働き方を選ぶ人は「仕事が人生の最優先事項ではない」ケースが多いです。彼らが求めるのは、給与やキャリアアップだけでなく「安定した生活」や「プライベートとの両立」を求める層も多くなっています。それにもかかわらず、「スキルアップできます!」といった、一部の求職者にしか響かなくなっています。

理由4:競合の派遣会社との「差別化」ができていない
求職者から見て、貴社と他の派遣会社との違いは何でしょうか?もし「特に思いつかない」のであれば、候補者が会社を選ぶ基準は、給与や待遇などとかなり限られてしまいます。これでは、条件の良い案件を持つ競合に勝つことはできず、消耗するだけの価格競争に陥ってしまいます。

理由5:そもそも自社の「魅力」が言語化できていない
これが最も根深い問題です。長年事業を続けている会社には、「地域での信頼」「コーディネーターの手厚いフォロー」「◎◎職ならお任せ」といった「強み」が必ずあります。しかし、社内の人間にとっては当たり前になっており、その価値に気づかず、言語化して外部に伝えられていないケースが非常に多いのです。

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応募が集まる派遣会社に変わるための具体的な対策

これらの根本理由を解決し、応募が集まる体質へと変えていくための具体的なステップをご紹介します。

対策①:まず「派遣スタッフアンケート」で自社の強みを知る
対策の第一歩は、外に広告を出すことではなく、内に眠る価値を知ることです。今働いてくれている派遣スタッフに「なぜ、うちで働いてくれているのですか?」とアンケート(サーベイ)を取りましょう。そこから得られる「生の声」こそが、貴社がアピールすべき、競合にはない唯一無二の本当の強みとなります。

対策②:「3つの提供価値」から自社のモデルを再定義する
サーベイで見つかった強みを基に、自社がどの価値で勝負するのか、事業モデルを再定義します。

● キャリア形成支援モデル: 専門性や安定したキャリアを約束する。

● ライフスタイル両立支援モデル: 柔軟な働き方でプライベートを支える。(スキマバイトとの差別化を図る上でも重要)

● 生活基盤サポートモデル: 寮や福利厚生で安心感を提供する。

この軸を定めることで、誰に何を伝えるべきかが明確になります。

対策③:「質の高い」求人原稿でAIと求職者に選ばれる
再定義した提供価値を、具体的かつ豊富に盛り込んだ「情報量の多い」求人原稿を作成します。「寮のWi-Fiは高速です」「希望休は100%取得できます」など、候補者の生活に寄り添ったリアルな情報が、AIと候補者の両方に評価されます。

対策④:採用サイトやSNSで「正直な情報」を発信する
求人原稿だけでは伝えきれない「会社の空気感」や「コーディネーターの人柄」を、採用サイトやSNSを通じて発信します。特に、顔出しが難しいスタッフに配慮した「Vlog(一人称視点の動画)」や「1日の流れ」「登録(仕事)までの流れ」といったコンテンツは、候補者に安心感を与え、応募へのハードルを下げます。

まとめ:「応募が来ない」のは、自社の価値が「伝わっていない」かも

派遣に応募が来ないのは、媒体や市場が悪いからでも、案件に魅力がないからでもありません。その多くは、自社に眠る本当の価値に気づかず、それを求めている人に、適切な方法で伝えられていないことが原因です。
目先の応募を集めるだけではなく、自社の提供価値を根本から見直し、それを誠実に発信し続けること。その先にこそ、持続的な採用成功が待っています。

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