2026.01.15
なぜ今、「SNS採用」が必要なのか?採用難易度が高まる時代に選ばれる企業の採用戦略
「SNS採用が流行っているらしい」「競合他社もInstagramやTikTokを始めたようだ」
採用担当の皆様であれば、ここ数年でこうした声を耳にする機会が激増したのではないでしょうか。実際、当社(天職市場)が開催する採用セミナーにおいても、SNS活用をテーマにした回は毎回満席に近いお申し込みをいただいており、その関心の高さを肌で感じています。
しかし、多くの企業様が「流行っているから」という理由だけで関心を持たれているわけではありません。そこには、「従来のやり方では、もう人が採れなくなってきている」という切実な危機感があるはずです。
今回は、なぜ今これほどまでにSNS採用が必要とされているのか。その背景にある採用市場の構造変化と、2026年に向けて企業が取るべき戦略について解説します。
〇採用市場の構造変化と「待つだけ」のリスク
まず直視しなければならないのは、採用市場における「競争の激化」と「プラットフォームの変化」です。
1. 求人倍率の上昇と採用コストの高騰
dodaなどの主要な転職求人倍率データを見ても分かる通り、求人倍率は右肩上がりの状況が続いています。特にホワイトカラーや技術職においては、一人の求職者を複数の企業で奪い合う「売り手市場」が常態化しました。 これに伴い、マイナビの中途採用実態調査(*)などが示すように、企業が採用にかけるコストも年々上昇しています。「求人広告を出せば応募が来る」という時代は終わり、高いコストをかけても採用に至らないケースが増えているのです。
※中途採用実態調査2025年版(マイナビ)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250930_101865/
2. キーワード検索の裏側も「AIマッチング」へ
さらに深刻なのが、求人プラットフォーム自体の仕組みの変化です。 Indeedなどを筆頭に、現在の主流は単純な「キーワード一致」ではなくなっています。ユーザーがキーワード検索を行う点は変わりませんが、その検索結果として表示される求人は、AIがユーザーの過去の閲覧履歴や行動データを分析し、「この人に最もマッチする」と判断したものが優先的に表示されるようになっています。
つまり、単にキーワードを入れて待っているだけでは、AIに「マッチ度が高い」と判定されず、求職者の目に触れる順位に表示されにくくなっているのです。 だからこそ、企業側から能動的に認知を取りに行く「攻め」の手法として、SNSの重要性が増しています。
3. 「ググる」から「タグる」、そして「AIに聞く」へ
求職者の情報収集行動も変化しています。 Googleによる提唱以降、マーケティングの定説となった「バタフライ・サーキット」という概念があります。求職者は、気になった情報を「さぐる(探索)」と「かためる(検証)」を行き来しながら意思決定をします。
ここで重要なのは、次のアクション(応募や詳細閲覧)を起こすスイッチが「共感」にあるという点です。 「給与が良い」「休みが多い」といった条件面の確認(かためる作業)だけでは、人は動きません。SNSなどの探索行動の中で、「職場の雰囲気が楽しそう」「この人たちと働いてみたい」という直感的な「共感」を得て初めて、求職者は「応募」という行動に移ります。
さらに2025年現在、検索エンジンには「AIモード」が搭載され、検索結果の最上部に「AIが情報をまとめて回答する」形式が定着しています。Web上(SNS含む)に企業のポジティブな情報やクチコミが存在しなければ、AIからも「おすすめの企業」として紹介されなくなる時代が到来しているのです。
〇採用競合に差をつける、SNS採用3つのメリット
こうした市場環境において、SNS採用は単なる「目新しい手法」以上の価値を持ちます。
1. 「転職潜在層」へのアプローチ
一般的な求人メディアは「今すぐ転職したい人」しか見ていません。しかし、競合が激しいそのパイを奪い合うのは消耗戦です。 SNSであれば、転職を具体的に考えていない「潜在層」にもアプローチが可能です。日常のタイムラインに自然と企業の情報を流すことで、「なんか良さそうな会社だな」という認知の種をまくことができます。特にSNS広告を活用すれば、狙ったターゲット層に少額からピンポイントで情報を届けることが可能です。
2. Z世代・若手に刺さる「飾らないリアル」
特に若手世代(Z世代)において、作り込まれたきれいな求人広告は「広告臭」として敬遠される傾向にあります。彼らが求めているのは、「飾らないリアル」です。 「実際のオフィスの空気感」「社員同士の何気ない会話」など、SNSならではの等身大の発信こそが信頼を生みます。
ただし、注意も必要です。「流行っているから」といって、無理に社員がダンスを踊るような動画は、かえって「痛い」「ブラック企業の社畜自慢に見える」とマイナスイメージを持たれるリスク(地雷)もあります。重要なのは過度な演出ではなく、求職者が安心できる「嘘のない日常」を見せることです。
3. 連絡手段の最適化による「歩留まり向上」
意外と見落とされがちなのが、応募後の連絡手段です。 若手世代を中心に「電話に出ない」「メールを見ない」という層が増えています。せっかく応募があっても連絡がつかず、面接に至らないケースは少なくありません。 LINEやDMなど、彼らが日常的に使うツールを連絡手段に組み込むことで、返信率や面接実施率は劇的に改善します。SNS採用は「集客」だけでなく、その後の「歩留まり」の課題解決にも寄与するのです。
〇「分かってはいるが難しい」をどう乗り越えるか
メリットの多いSNS採用ですが、いざ実施しようとすると高いハードルがあるのも事実です。
・コンテンツ制作の負荷:「何を投稿すればいいか分からない」「通常業務で手一杯で動画編集などできない」という工数の問題。
・即効性の低さ:SNSは「農耕型」の施策です。広告出稿を除けば、アカウント運用で成果が出るまでには時間がかかります。
・社内の理解不足:SNSに馴染みの薄い経営層に対し、「なぜ今SNSなのか」を説明し、協力を得る難しさ。
また、SNS広告運用には、クリエイティブのABテストなど専門的なマーケティングノウハウが求められます。「とりあえずアカウントを作ったけれど、更新が止まっている」という企業様も少なくありません。
外部パートナーという選択肢
こうした課題を、社内の採用担当者だけで解決しようとする必要はありません。 採用戦略の設計から、ターゲットに刺さるコンテンツの企画・制作、そして広告運用まで、ノウハウを持つ外部パートナーの力を借りることで、リソース不足を補いながら最短距離で成果を目指すことができます。
〇まとめ:採用の「これから」を見据えた資産づくりを
SNS採用は、一過性のブームではなく、採用難易度が高まり続けるこれからの時代における「必須インフラ」になりつつあります。 求人メディアにお金を払い続けて「枠」を買うだけの採用から、自社の魅力をWeb上に蓄積し、AIや求職者から「選ばれる」ための「資産」をつくる採用へ。
今後さらに採用競争激化が見込まれる今こそ、その第一歩を踏み出すタイミングではないでしょうか。 「何から始めればいいか分からない」「自社に合うSNSが分からない」という場合も、まずは一度ご相談ください。貴社の課題に合わせた最適な戦略をご提案いたします。