COLUMN 採用お役立ちコラム

2019.07.18

新入社員研修の参考にしたい!ユニークな手法と方法

人事担当をしていて、頭を悩ませることのひとつに「新入社員研修」があります。
新入社員研修は、これまで学生だった新入社員にビジネスマナーを教えたり、仕事をする上で不可欠なコミュニケーション能力を磨かせたりと、やることがもりだくさんです。
しかし、ただ知識を詰め込む座学だけの研修ほど、身につかないものはありません。
なのでできるだけユニークかつ実のある研修を、と考える人事担当者の方も少なくないのではないでしょうか。
事実、ネットの検索ワードに「新人研修、ユニーク」が挙がるほどですから、新入社員研修に求められているものが「個性」であることは間違いないでしょう。
そこで、人事に携わってきた者として、新入社員研修のネタに悩んで来た経験から、これまで検討してきた中で「これは面白い」と感じたユニークな新入社員研修の手法を参考までにいくつかご紹介しようと思います。

目次

  1. 1.料理対決研修
  2. 2.漫才研修
  3. 3.竹トンボ作り研修
  4. 4.滝行研修
  5. 5.まとめ

1.料理対決研修

これは某IT企業で行われている研修方法です。作る料理は簡単に誰でも作れそうというところからカレーをこの会社では作られていました。ですがもちろんただ作るだけではなく、対決、と名のつく通り、新入社員チームと、先輩や社長、役員の合同チームとで味比べを行うのが醍醐味です。

【手順】

  1. ①新入社員同士で5~6名程度のグループに分けます。教育係として合宿に参加している若手社員、社長、役員はまとめて1チームとします。チームに入らなかった先輩社員、役員は味の判定を行うジャッジ役とします。
  2. ②隠し味としてなにかを必ず1品入れるというルールを全員に周知し、相談をしてもらいます。
  3. ③予算内でカレー作りに必要な具材を調達してもらいます。
  4. ④カレーを作ってもらいます。
  5. ⑤出来上がったカレーを、ジャッジ役が判定を行い、勝利チームを決定します。

この手法でなにが培われるかと言えば、集団での作業となるため、コミュニケーション力が磨かれます。また、ジャッジ役の好みを把握するための聞き取り能力や、具材を予算内でそろえることでコスト意識の上達も期待ができます。シンプルながらなかなか効果的な手法ですね。

2.漫才研修

これぞユニーク!と言いたくなるのがこの手法です。
漫才師になるわけではありませんが、今の世の中、ユニークさがないと仕事に差し支える場合もあります。
特に営業職だと会話が面白くないと成績にも影響しがちですから、面白さの極みともいうべき、漫才を研修に取り入れるのは理にかなっていると言えるでしょう。
この研修では、実際にプロのタレントの方がいらっしゃって「漫才とはなにか」といった座学も含め、以下の内容で研修を行ってくれるようです。

【手順】

  1. ①2人1組にチーム分けします。コンビはそれぞれの個性を考えつつ主催者側で決定します。
  2. ②コンビ名を決めてもらいます。
  3. ③お笑いとはなにかなど、プロにより知識のレクチャーをいただきます。
  4. ④実際に漫才を作ってもらいます。
  5. ⑤漫才を披露してもらいます。その際、VTR撮影を行い客観的に自分達を確認してもらいます。

実際にプロの方を招くとなるとコストも気になりますが、漫才の完成度はともかくとして、「人を喜ばせよう」「どんなことを言えば笑わせられるのか」など相手のことを深く考えたり、実際に人前で発表することにより度胸がついたりという効果が期待できるので取り入れてみるのも面白いかもしれません。

3.竹トンボ作り研修

大変興味深いと思ったのがこの研修です。
内容は名前の通り、「竹トンボを作る」という非常にシンプルな内容なのですが、ただ作ればよいということではなく、主催者側から提示した条件を満たした竹トンボを参加者同士で協力して作ってもらうというものです。

【手順】

  1. ①竹トンボの完成要件として「3秒以上飛行するもの」であることを参加者に伝えます。
  2. ②チーム分けします。
  3. ③飛行に優れた竹トンボがどんなものかを相談しつつ、協力して設計を行ってもらいます。
  4. ④設計に即した材料を調達してもらいます。
  5. ⑤竹トンボを作ってもらいます。
  6. ⑥実際に飛ばしてもらい、3秒以上飛行するか、主催者がチェックします。

単純なようですが、言われた通りの要件を満たす、ということはビジネスの世界ではどんな職種でも必要なことです。この竹トンボ作りではそうしたビジネスの世界で必要なスキルが身につくほか、仲間と協力して作成することでチームワークや効率化を考えることにも役立つため、実際の仕事にも直結している優れた研修と言えるでしょう。

4.滝行研修

「滝行」とは、ご存知の方も多いかと思いますが、神道などで用いられる修行のことで、滝に打たれることで心身を鍛えるために行います。
賛否両論ありますが、この滝行を新入社員研修として取り入れられている企業もあるようです。

【手順】

  1. ①行衣(白装束)に着替えます。
  2. ②滝に一礼します。
  3. ③滝に入り水圧に耐えてもらいます。
  4. ④滝から出ます。

滝に入ることは大変苦しいですが、この滝行を皆で行うことで連帯感も生まれ、また「やりとげた!」という達成感を実感できるため、スパルタ研修のようにも感じますが、新入社員の皆さんの思い出に残る研修になることは間違いありません。
もっとも寒い時期に実施するのにはそれなりに危険も伴いますから、注意も必要かと思います。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したものは、数あるユニークな研修の一部ですが、どれを取っても言えることは、仕事において必要なものを培うのに効果的と思えるやり方を備えつつ、参加者の記憶に残るようなものが多いということです。
ビジネスマナーなど、ベーシックなやるべき講習を行いつつも、どうせなら楽しんで参加してもらいたい、と思うのが人事側の本音であり、この記事を読んでくださっている人事担当の皆様もおそらくその思いでいらっしゃると思います。この記事が皆様のご参考になれば幸いです。