COLUMN 採用お役立ちコラム

2021.09.15

「採用における動画の重要性とは/vol.06」動画による流入を狙う『動画SEO』

採用PRにおける動画の重要性が高まっています。
私たちが相対するのはテレビよりもYouTubeに慣れ親しんでいる世代。
動画の基本をおさえて、若年層にしっかり伝わる動画活用方法をシリーズでお届けしてきた当コラムも、6回を迎える今回で最終回となります。

第6回は、動画による求職者の流入を狙う「動画SEO(VSEO)」について解説します。

動画版のSEO対策がこれからの採用活動を左右する

今シリーズではこれまで、採用活動における動画の有効性や活用方法について紹介してきました。しかし、一連の解説をご覧になって「採用活動におけるフェーズに合わせた画像を作成し、ホームページやYouTubeに掲載すれば多くの新卒学生がアクセスしてくる」と思い込んでいないでしょうか。

どれだけ魅力を網羅した動画を作成し、採用フローに適したコンテンツとして発信しても、本当に観てもらいたい人にリーチできない、観てもらえないのであれば、何の効果も発揮することはできません。

そこで検索発見率の向上を目指すべく、今回は「動画SEO(VSEO)」の活用を紹介します。できるだけ多くの求職者の流入を実現し、理想的な採用活動を行うためにも、積極的な活用をお勧めします。

動画で“53倍”も効果に影響?

◎動画SEOとは?

動画SEOは最近のものではなく、10年前から有効性が指摘されてきたWebマーケティング戦略です。アメリカの調査会社・Forrester-Researchが2010年に、「動画の埋め込まれたページは、埋め込まれていないページに比較して約53倍の確率で検索結果の上位表示が期待できる」との調査結果を発表しています。

しかし、動画をページに掲載するだけで検索順位が上がるという、単純な構造ではありません。あくまでも「動画があることでページでの滞在率が上がった」ことにより、「ユーザーにとって有益なページであった」ことが確認されています。つまり、動画を埋め込むことが副次的な要因となって、動画がSEO対策として機能したということです。

◎YouTubeは検索効果UP

なお、YouTubeは動画を投稿することでGoogleでの検索時、YouTube以外の動画サイトへ投稿するよりも上位に表示されやすいと言われています。これはYouTube自体がGoogleの所有するサービスの一つであることが大きな要因でありますが、一般的なSEO対策のようにYouTubeにおける公開範囲やコメント対応などの管理に気を遣うことも必要です。

動画SEOはメリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットがあることも十分認識することが効果を上げる上で必要となります。自分たちに適した形での公開環境を用意するなど、事前準備を怠らないことが成功の近道だと言えるでしょう。

これからは「自動字幕」がトレンドに?

◎現状では動画のみの上位検索は難しい

Googleの検索アルゴリズム(クローラー)は、動画につけられたタイトルや説明文などのテキスト方法を読み取り、「どのようなタイプの動画であるか」を判別しています。しかし、ザックリとした判別方法につき、現在の技術では詳細にわたる動画の内容については理解・判断が難しい状況です。

そのことからも単純に動画を埋め込んだだけのページでは、Googleの検索機能そのものが内容を完全に把握することはできません。前述の動画をページに掲載するだけで検索順位が上がる構造ではないことは、こうした背景があるからなのです。

◎自動字幕の活用で上位検索を目指す

だからと言って、すぐに諦める必要はありません。現時点で動画SEOを展開する有効な手段として、「自動字幕」を活用するという方法が注目されています。ここ数年の間で、YouTubeに自動字幕起こし機能が追加搭載されるなど、動画の詳細に関するテキスト情報が付与されるようになりました。そのため、Googleクローラーが字幕を読み取った上で動画の詳細を把握できるようになり、結果的に質のよい動画が検索上位に表示されることが可能となっています。

また、ABEMAのニュースチャンネルでの会見中継などのライブ配信時におけるAI字幕も、動画SEOを展開する上で注目したい機能です。現時点では言葉の誤認識に伴う誤字の多さなど、文字起こしの精度は高いとは言い難い状況ではあります。しかし、今後はAIが学習することによって、自動字幕の品質は向上していくでしょう。このような背景からこれからの動画コンテンツにおいて、自動字幕の活用による動画SEO対策は加速してことが考えられます。このようなトレンドに伴い、動画による効果を上げていく上で、いかに早く動画SEO対策をしていくか。これからの採用戦略の鍵を握ることとなるでしょう。

計6回にわたる今シリーズをご覧いただき、誠にありがとうございました。他社に先んじて採用活動を展開するにあたり、ご活用いただければ幸いに存じ上げます。これからも有益な情報をご紹介してまいりますので、ぜひご期待いただきたいと思います。