COLUMN 採用お役立ちコラム

2022.09.15

採用トレンドに関するキーワード解説「ATS」

ATSという言葉、人事の中でも特に採用に直接関わっている方は、目にする機会も多くなっていると思われます。電車が好きな方には同じ略称で「自動列車停止装置」が知られていますが、今回紹介するATSとは「採用管理システム(Applicant Tracking System)」のことを指します。ATSではこれまで属人的に行われていた応募者の進捗状況や応募書類などの管理をシステム上で一元化することで、チーム全体での共有することが実現。さらに採用結果をデータ化し、分析と管理を行うことで採用活動の効率化と戦略化が可能となります。

ATSはWebが中心の採用メディアとの親和性も高く、広告に掲載した情報や応募に関する情報、入社手続きに関するシステムと連動するサービスも多数存在しています。最近ではクライド環境でのサービス提供を行うケースがほとんどで、導入にあたっては特別何か用意したり、高いコストを払ったりという心配はありません。今後は多くの手続きを必要とする新卒採用に力を入れている企業、採用活動を戦略的に行う企業を中心にATSを導入するケースは増えていくことが見込まれています。

■代表的なATSサービス

一口にATSと言っても、それぞれに機能が異なったり、使い勝手が違ったりと特徴は様々です。そこで代表的なATSサービスを紹介し、それぞれの違いについて解説してまいります。

soner ATS

2Thinkings株式会社が運営するATSサービスで、新卒・中途採用に関する機能が一つに集約されていることが他のサービスにはない大きな特徴。管理する応募者の人数や利用期間で料金が決まり、インターンシップなどの短期間での利用も可能です。また、応募者との連絡手段もメールやメッセージ、LINEに対応することでコミュニケーションロスも防げます。大手企業を中心に、1000社以上の企業が導入されています。

HERP Hire

株式会社HERPが運営するATSサービスで、25以上の求人メディアから自動で応募情報を取り込み、一元管理を行うことが可能です。社内のいたる部署と連携したスクラム採用を実現できるので、現場からの意見を反映しながらのマッチングが可能になります。また、シンプルなUIを採用することで、誰もが簡単に操作できることも特徴の一つです。主にデジタル人材の採用に力を入れる企業を中心に、1000社以上の導入実績があります。

i-web

株式会社ヒューマネージが運営するATSサービスで、リクナビやキャリタス就活といった大手新卒採用サイトや新卒向けダイレクトリクルーティングサービスOfferBoxとのリアルタイム連携を実現。SPIなどを含む選考管理に必要な機能はほぼ網羅している上、就活生一人ひとりとi-webを通じたOne to Oneコミュニケーションも実現。多機能でありながらシンプルな操作性で、有償サービスでは業界トップシェアを獲得しています。

HRMOS採用

株式会社ビズリーチが運営するATSサービスで、同社の得意とする中途採用に強みを発揮しています。連携する求人メディアはビズリーチやリクナビNEXT、dodaなど大手が中心で、求人管理や選考管理、エージェント管理・紹介依頼などが行えます。また、応募や選考、面接官の評価、採用ROIに関するレポートも閲覧可能なので、戦略的採用活動に大きな効果を発揮します。幅広いジャンルの大手有名企業が導入していることも大きな特徴です。

EntryPocket

株式会社マイナビが運営するアルバイト採用サイト「マイナビバイト」が提供するATSサービスで、複数の求人サイトや自社サイトからの応募者情報を一元管理することが可能。効果測定機能で採用状況の見える化を実現し、効率的な採用活動をサポートしてくれます。求人メディアの出稿も金額を入力すれば、媒体別・店舗別での費用対効果算出も可能です。採用サイトの制作も、テンプレートとオリジナルの2パターンで選択可能です。

ジョブカン採用管理

株式会社DONUTSが運営するATSサービスで、indeedやGoogleしごと検索と連携することで応募者の獲得から候補者管理、選考、採用活動の効果分析を一元化することが可能です。特にレポート機能では応募経路ごとの通過率が分析できるなど、機能性の豊富さが大きな特徴です。また、同社が運営するジョブカン労務管理との連携により、入社手続きがスムーズに行えるのは他社サービスにはない大きな強みとなっています。

■ATS機能を兼ね備えた採用サイト「テンリク」

株式会社天職市場が運営する「テンリク」は、企業の自社採用力を上げるための求人情報掲載からATS機能を内包した採用専用サイトです。Indeedなどの求人検索エンジンとの連動や他の求人メディアから自動で情報を取り込むことによって、効率的かつ理想的な採用活動の実現を支援します。

<テンリクの主な特徴>

◎営業・制作の充実体制
企業に対して専任の営業スタッフが直接対応するほか、50名在籍する制作スタッフが丁寧にフォロー。全国各地にスタッフを確保し、きめ細かいサービスを提供しています。
◎わかりやすい・見やすいデザイン力
長年の実績から蓄積されたノウハウを活かし、求職者にわかりやすく、見やすいデザインによるコンテンツを提供。制作から納品まで、ワンストップで対応します。
◎掲載枠数の制限なし
自社コンテンツですので、掲載コストを気にせず複数の採用情報が掲載できます。同じ職種でも訴求ポイントや表現を変えることも、効果を見ながらテスト掲載することも可能です。
◎月次分析・レポートサービス
Indeedへのスポンサー広告を利用すると、広告運用結果について月次でのアクセス分析とレポートが提出。費用対効果の分析がしやすくなり、効率的な採用活動が可能となります。

■まとめ

これからの採用活動は、より高い戦略性が求められる時代となってくるでしょう。そのような状況において、ATSは必要不可欠なツールとなるはずです。すでに大手企業を中心に導入がはかられている現状、人材採用に多くの課題を抱えている企業はそろそろ導入を検討されてもいいかもしれません。
今回、いくつかのサービスを紹介しましたが、いずれにおいても強みと弱みが存在します。導入するにあたってはコスト面だけではなく、自社が抱える課題にしっかりと対応できる機能と使いやすさなども十分考慮する必要があります。ぜひ専門家に相談した上で、適性の高いATSの導入を果たし、効率性の高い採用を実現していきましょう。