COLUMN 採用お役立ちコラム

2023.01.06

その条件で大丈夫?母集団形成に向けた求人原稿の条件緩和について

人手不足を解消しようと何度も求人原稿を掲載しているが、なかなか思うように応募が集まらない。求人件数に対して求職者の数が足りていない「売り手市場」だから仕方がない…と半ば諦めかけていないでしょうか。
確かに認知度や人気度が高く、応募が集まりやすい大手企業も目標採用人数に達しないという状況に陥っているケースが目立ちはじめました。しかし、売り手市場だけを理由としていては、何度も求人原稿を掲載しても同じことの繰り返しになります。
いつまで経っても応募数が増えない場合は、応募条件が求職者の求めるレベルとかけ離れていることも想定しないといけません。もしかすると求人原稿で提示する待遇・福利厚生が相場よりも低く、求職者が魅力に感じていない、応募動機が形成できないという可能性も考えられるからです。
採用を成功させるためにも、応募数の改善に向けて何かしらの見直しが必要です。今回は一人でも多くの求職者に響く求人原稿にしていくためにも、応募条件の緩和にフォーカスを当てて、いくつかの改善策を紹介してまいります。

■応募しづらい採用条件とは

まずは求人原稿と求職者とのミスマッチが起こりやすい、いくつかの要因を紹介いたします。以下に紹介する要因すべてが該当することはないでしょうが、何か一つでも当てはまる場合は改善に向けた検討が必要となります。

◎求めるスキルが高すぎる

特に欠員募集の場合、ポッカリ空いた穴を埋めようと、退職者と同じくらいの経験やスキルを求める傾向が見られます。キャリア2〜3年くらいの若手層であれば求職者の数も足りるので大きな問題は起こりにくいのですが、5年以上の中堅層以上となると状況は変わってきます。特に30代より上の世代を採用するとなると、より高い専門性を有していないと社内バランスが取りにくいという状況がハイスキルを求める要因となっています。その結果、自分には見合わないと求職者が応募を諦めることで、長らくそのポジションが空いてしまうという悪循環に陥ってしまいがちです。

◎給与がスキルと見合っていない

昔から長く続く日本企業の風習の一つに、年功序列型の給与形態があります。もちろん実力主義・成果主義による評価によって給与形態は以前よりも変わりつつありますし、近年の働き方改革やジョブ型採用によって仕事のあり方も多様化しています。しかしそれでも日本では、スキルよりも役職に応じた給与形態が一般的となっています。この傾向は日本特有とも言われ、実際にハイスキル人材は自分のスキルに見合った給与を得られる環境を求め、海外企業へ活躍の場を移す傾向が増加しています。人材の海外流出は、この背景が大きな影響を与えているのです。

◎多様化する働き方に企業が追いついていない

かつての日本は正規雇用、または派遣やコアタイム勤務が主流でした。しかし、現在では求職者自身のライフスタイルに応じて、雇用形態も働き方も自由化・多様化が進んでいます。特にワークライフバランスという概念が誕生してからは、産休育休の推進や育児しながらの就業を可能とする時短勤務や在宅勤務、過重労働を解消するための時差出勤やフルフレックスを求める声も増加傾向にあります。しかし、それぞれの業務特性に合った働き方を行う必要があっても、組織の平準化を優先しようと全社員一律の条件を制定する企業はいまだ多く見受けられます。その結果、就労条件が合わないと応募を敬遠される傾向が目立ちはじめています。

■まずは応募条件の見直しから

企業と求職者とのアンマッチを解消するにあたっては、まず「応募条件」の見直しをはかるところからはじめる必要があります。職種によっては絶対に必要な資格や経験もあるでしょうが、法令などで定められている条件以外は何かしらの見直しができるはずです。

会議中の男女

◎本当に実務経験は必要ですか?

即戦力採用を行う際、できるだけハイスペックな人材を採用したいと考えるのは心情として理解はできます。しかし、仕事内容を鑑みた際に社会人経験があれば取り組みやすいのであれば、実務経験の有無にこだわる必要はないかもしれません。

◎若手層の採用にこだわりすぎていませんか?

応募が比較的多いはずなのに面接への通過が極端に少ない場合、書類選考の条件を厳しくしすぎている可能性があります。ポテンシャル採用を行う場合は、できるだけ条件を絞り込まないことも必要です。特に年齢については、ある程度の幅をもたせた方がいいでしょう。

中にはアンマッチを起こしたくないがあまり、求める人物像を細かく表記する傾向もありますが、応募数が少ない場合は情報を盛り込みすぎている可能性もあります。優先順位を見直した上で、あまり必然性を感じていない項目は削除することも必要です。

■待遇・福利厚生もできるところから見直しを

求職者の応募動機を形成していくためにも、できる限り魅力的な待遇や福利厚生を提示する必要があります。会社ごとにできることできないこともあるでしょうが、働く環境の改善は現在就業中のスタッフに対してもメリットを享受できるので、可能な範囲で見直しをはかることをお勧めします。

<ここに注目!改善ポイント>

求人原稿の募集条件の考え方

■休日や勤務時間、雇用形態、給与支給日は求職者ニーズが高く、変更しやすい
→すぐに改善できなくとも、既存社員の理解や協力があれば改善しやすい項目です

■福利厚生や勤務開始日、研修日程、応募方法はニーズ自体低いが、変更しやすい
→求職者の優先順位は高くありませんが、もっとも調整がしやすい項目です

■給与や勤務地、職種や仕事内容は変更しにくいが、求職者の注目度は高い
→給与相場とのバランス、リモートワークの導入などで、ある程度の改善は期待できます

■職場環境や業種、応募・選考方法は変更しにくい上、ニーズも低い
→ほとんど変更することが難しい項目であるので、改善を想定しなくてもいいでしょう

改善してはいけないポイント

求人原稿を改善することで、より多くの求職者からの応募を集めることは、採用活動においてとても重要なこととご理解いただけたと思います。しかし、なんでもかんでも改善すればいい、緩和すればいいというわけにはいきません。逆に原稿上で変えてはいけない、重要ポイントも合わせて紹介いたします。

<企業理念や文化を緩和してはいけません!>

企業として成り立つ上で、大きな柱となるのが企業理念であり企業文化です。基本的に求職者が理念に共感し、文化を理解してもらってこそ採用は成功するものです。この部分を緩和してしまうとカルチャーフィットが難しくなり、入社後にアンマッチを起こして早期退職につながりかねません。せっかく採用できた、雇用してもらえたとしても、すべてが無意味となって企業・求職者双方にデメリットしか残りません。揺れない部分はしっかり自覚した上で、求人原稿の改善に取り組んでいきたいものです。

天職市場ならば求人原稿で改善・緩和すべきポイント、改善・緩和すべきではないポイントを見極め、適切なアドバイスをもって求人原稿の適正化を行うことができます。ぜひご検討ください。

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