COLUMN 採用お役立ちコラム

2023.01.06

なぜ必要?採用ペルソナの重要性と設定について

人材を採用するにあたっては、求人原稿の作成とメディアへの掲載を行わなければなりません。これまでは有料の求人情報誌やWebメディアなどへ原稿作成から掲載までを委託することが一般的でしたが、ここ数年で自社による原稿の作成から掲載までを無料で行えるサービスも登場してきました。できるだけ採用コストを抑えたい、今すぐにでも採用したいという企業を中心に、無料サービスへの掲載ニーズは高まっている状況にあります。
しかし、掲載しても期待しているレベルの人材から応募が来ない、若手層がほしいのにシニア層からの応募ばかり来る、そもそも応募が一切来ない…などの状況に遭遇する企業も少なくありません。なぜそのような状況となるのか、考えられる大きな理由が『伝えたい人へ情報が伝わっていない』です。
そこで今回、求人原稿の作成において必要なペルソナについて詳しく解説し、正しく設定することで成功する採用活動の実現を目指していきたいと思います。

なぜペルソナが必要なのか

もしかすると、みなさんの中には「求人原稿を掲載すれば、必ず人が応募してくる」と思い込んではいないでしょうか。確かに学歴や経験・資格の有無などの求める人物像を原稿内に記載していますが、これらはあくまでも採用条件を示したもの。仮に高収入や休日の多さなどを前面にアピールしたとしても、求職者の欲求や考え方にマッチしなければ無視されるのは当然のことです。
さらに求人メディアの多様化により、求職者はあらゆる情報にアクセスすることができます。大量の情報の中で効率的に情報を伝えていくには、『誰』に届けなければいけないかを考える必要があるのです。その『誰』こそが、採用ターゲットとなるペルソナなのです。

◎ペルソナとは

ターゲットとなる求職者について、その代表・典型となる人物の
・人物像
・職務経歴
・現在置かれている状況
・転職背景や希望
・趣味や興味、関心事
・思考や想い
…などを詳細に設定したものとなります。

ペルソナの設定効果

まず、ペルソナを設定することでどのような効果が得られるようになるのでしょうか。具体的には以下の4つの効果が挙げられます。

(1) 求職者視点による原稿作成が可能に

情報を届けたい求職者のイメージが具体的に描けるようになるので、どのような情報が必要か、どのようなことに興味を示すのなどの仮説が立てやすくなります。

(2) 何を書けばいいか、判断基準ができる

採用したい求職者に対し、情報の取捨選択ができるようになります。そして採用する側の一方的なメッセージではなく、ターゲットが求める情報が届けられるようになります。

(3) 時間や工数が削減できる

記載するべき内容を選ぶ、判断する基準が明確となりますと、原稿作成中に迷うことが大幅に減ります。仮に迷ったとしても、設定したペルソナに立ち返れば大丈夫です。

(4) 検証の基準ができる

判断基準に沿って原稿作成を行っているため、掲載後の効果が芳しくなかったとしても、基準を振り返っての反省が可能に。改善するべき点も明確になります。

以上を社内で共有することで、採用フローにおける部署間の認識のズレ、採用後のミスマッチ発覚を抑えることも可能となります。

◎ペルソナを設定する際の視点

大きく分けて、二つの条件を設定します。

・Must条件:いわゆる最低条件で、採用可能な対象者や採用可能範囲となる条件です

・Want条件:狙いやビジョンにマッチした、企業にとっての優良求職者となる条件です

Want条件はすべてクリアする求職者はほとんど存在せず、むしろ競合他社とのバッティングも引き起こす可能性が高いことをあらかじめ認識しておきたいです。Must条件はできるだけ応募者数を増やしたい場合、条件面の緩和を行うことで応募対象層を広げる必要もあります。

会議中の男女

ペルソナの設定方法

まずはターゲットとなる求職者の人物像、これまでの職務経験や現状、転職する背景、訴求すべきポイントを整理していきます。ちょっと難しいと感じるのであれば、『社内で活躍している実際の社員から設定』することがオススメです。
「この人がもう一人いてくれたら」という社員を選定した方が話は早いですし、その人の入社時の状況も加味することで、Must条件を踏まえたペルソナ設定を行うことが可能です。また、より詳細について設定を行う際は、ポジション・待遇や必要スキルの洗い出し、配属部署のヒアリングも行うことでより洗練されたペルソナ設定ができるようになります。

ペルソナ設定のポイント

ペルソナ設定において注意しなければならないのが、採用において企業は求職者を選ぶ立場であると同時に、求職者から選ばれる側でもあることを認識することです。求職者からの応募が少ない、ゼロという状況は、求職者が会社や仕事にメリットを感じていないことが主な原因。企業が一方的に考える価値ではなく、ペルソナにとって興味関心を引く価値について熟考することが必要です。
また、1つのポジションに1つの原稿でペルソナを設定することで、原稿そのものがつくりやすくなります。特に求人Webサイトの多くは1職種1原稿が基本ですので、それぞれの職種やポジションなどに応じて設定することで、より効率の高い採用が可能となります。
なお、ペルソナ設定は一度でうまくはまることは稀ですし、年次に応じて変化していく特性もあります。時代の変化に伴って価値観が変わるように、ペルソナを考えていく上で試行錯誤も必要ですし、設定後も随時変更を行うことも大事となります。

ペルソナ設定を活用した採用アクション

ペルソナを設定しただけでは、当然ながらまったく意味がありません。以下に挙げるアクションを起こしてはじめてペルソナ設定が機能し、理想となる採用も実現していきます。

■ペルソナが存在しているメディアを選定する

求人原稿を掲載するメディアは何でも良い、というわけではありません。そもそも求人情報誌からWebによるナビサイト、人材紹介、ダイレクトスカウトサービスなどメディアは様々あり、それぞれにおいて閲覧する求職者に差があります。費用対効果を高いメディアを選ぶことが採用成功の基本となることを認識した上で、それぞれの特徴や強みなどを調べて選定するよう心がけましょう。

■ペルソナに応じた原稿を作成する

せっかく具体的なペルソナを設定したのですが、原稿作成においてペルソナが求める情報を記載していきましょう。汎用性の効く原稿は競合ひしめくメディア内に埋没しやすいので、ペルソナが知ったら喜ぶこと、心が動かされることを募集要項やスカウトなどに表記していきましょう。

■ペルソナに応じた選考体験を設計する

原稿内容に魅力を感じて応募してきた求職者も、選考プロセスに不具合があれば途中辞退も十分考えられます。選考中の離脱を防ぐためにも面接は相互理解の場として認識し、どうすれば求職者が興味関心を深めてくれるかを考えた選考体験を用意する必要があります。具体的には入社後にどのような働き方ができるか、どのようなキャリアパスがあるのか、求職者が活躍するイメージを具体的に描けるよう事前に対策を講じていきましょう。

天職市場ならば設定されたペルソナに対し、有効的な施策を展開することが可能です。設定支援や求人展開についての相談のほか、ペルソナ設定を容易とするシートも提供しています。ぜひご検討ください。

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