2024.01.31
【採用担当者向け】今注目のアルムナイ採用とは?メリット、デメリットを紹介
年々深刻化している人手不足問題。少子高齢化により労働人口は更に減少傾向にあり、大手企業までもが人手不足を感じる時代になってきました。
各社が人材確保に奔走する中、じわじわと導入が進んでいる採用手法がアルムナイ採用です。これまで眠っていた人材リソースを活用するようで、どういった採用手法なのでしょうか?メリットデメリットと合わせて紹介いたします。
【目次】
1・アルムナイ採用とは?
2・アルムナイ採用が注目されている理由
3・アルムナイ採用のメリット
4・アルムナイ採用のデメリット
5・アルムナイ採用を活用するには
6・アルムナイ採用まとめ
アルムナイ採用とは?
アルムナイ(alumni)とは、英語で「卒業生」「同窓生」という意味で、採用領域においては自社の退職者のことを指します。その言葉と掛け合わせて、何らかの理由で退職した人を再雇用する手法を『アルムナイ採用』と呼んでいます。別名で「カムバック採用(制度)」「出戻り採用(制度)」とも言われています。
人手不足を少しでもカバーするため、これまで眠っていた退職者を人材リソースの一つにするアルムナイ採用に取り組む企業が徐々に増えています。
アルムナイ採用が注目されている理由
即戦力の採用難
人手不足の昨今、教育面へのパワーも不足していることから、即戦力の需要が増えています。とはいえ優秀人材の確保は容易ではなく、競争が激化し難易度があがっている現状です。その点、アルムナイであれば、会社の業務をすでに理解しているため、即戦力を確保する一つの手法とされています。
転職の増加
コロナ禍で落ちた転職市場ですが、コロナ後(2022年後半から)は転職者数が上昇傾向にあり、転職を前提としたキャリア形成が再び活発になっています。そのため転職からの再入社もキャリアパスの一つの選択肢として、今後は十分なり得るでしょう。
オープンイノベーション活用の広がり
商品やビジネスの開発を社内のみで行う従来のやり方に対して、外部の経営資源を積極的に活用してイノベーションを進める「オープンイノベーション」。2010年代からは日本企業でも活発に取り組まれています。
退職者をパートナーとして受け入れ、関係を続けることで、ゆくゆくは自社へのリターンの可能性もゼロではなくなります。退職者との関係を繋げることが(アルムナイネットワーク)が、オープンイノベーションの第一歩となるでしょう。
アルムナイ採用のメリット
ミスマッチなく、即戦力を採用できる
元々自社に在籍経験があることから、社風の理解や関係性の構築がすでにできているため、ミスマッチなく即戦力として業務を始めることができます。これがアルムナイ採用の最大の利点といえるでしょう。
教育コストがかからない
新入社員に比べて教育コストやリソースを大幅に省くことでき、費用対効果が高いです。
企業ブランディングになる
普及段階のアルムナイ採用を推進することで企業ブランディングにもなるでしょう。また、制度推進をアピールすることで、求職者に対しては柔軟な働き方を訴求、既存社員に対してはエンゲージメントの向上も見込めます。
アルムナイ採用のデメリット
退職理由はさまざま
即戦力とはいえ、何かしらの理由があって退職した人材であることは変わりありません。退職理由が不透明であったり、退職理由が現在も改善できていないのであれば、リスクにもなり得ます。事前に社内確認をしたり、面接時にヒアリングするなど、採用まで慎重に進める必要があります。
退職ハードルを下げてしまう
「退職しても再雇用の可能性がある」ということから、退職のハードルが下がってしまう可能性があります。これにより離職率が上昇する可能性もあります。
既存社員とのハレーション
条件や待遇を優遇してしまい、既存社員が不公平に感じ、社内の士気をさげてしまう可能性があります。そうならないために、既存社員への理解推進や条件設定、配属組織を十分に考えるなど整備する必要もあります
天職市場に相談してみる
アルムナイ採用を活用するには
退職者との関係を切らさない
退職者との関係を維持する取り組みが必要です。
実際の取り組み事例としては、
・退職時にアルムナイ制度の案内
・定期的な情報発信
・退職者専用のSNS
・交流会 など
ささいな取り組みでもいいので、関係を切らさないことがポイントです。
パートナーとして関係構築
退職者を、ビジネスパートナーとして関係構築しておくことも大切です。
・元社員の企業へ発注
・副業としての発注
・営業や事業協力 など
再雇用はできなくても、外部リソースや外部知識をいれることは会社にとってメリットになるでしょう。
退職者が再入社できる体制づくり
退職者を受け入れる体制や意識作りが必要です。
・人事制度や給与制度の整備
・配属先の調整
・入社前の面接 など
また、既存社員に対しても制度の理解や受け入れの意識作りも必要です。社内回覧や社内ポータルサイトなどで、アルムナイ制度について定期的に発信することで、ハレーションリスクを減らすことができます。
アルムナイ採用まとめ
アルムナイ採用はこれまで眠っていた新たな人材リソースを確保することができます。従来の考え方では「会社を出て行った人」=「裏切者」とされがちな退職者を、「協力者」として意識転換することで、将来的にリターンが見込める施策となります。
アルムナイ採用を促進するためには、社内の理解やスキーム整備、退職者との関係づくりなど一つ一つの取り組みが大切です。天職市場では採用コンサルとして採用課題を解決に導いてきました。アルムナイ採用においても知見を蓄積していますので、人材不足にお悩みの企業様は一度相談してください。