COLUMN 採用お役立ちコラム

2024.04.16

Q&A

「同業他社への転職を禁止できますか?」採用Q&Aシリーズ

人材採用を担当するときに感じるちょっとした疑問。誰かにちょっとだけ聞きたい質問に一問一答でお答えしていくのが【採用Q&A】シリーズです。
今回のご質問は「同業他社への転職を禁止できますか?」です。

Q:「同業他社への転職を禁止できますか?」

A:就業規則や同意書などである程度制限することは可能です。

退職者が同業他社に転職することはよくあることですが、ノウハウや営業上の機密情報の漏えいを防ぐために、退職者の同業他社への転職を制限することは可能です。
しかし、制限をかけすぎると憲法が保障する「職業選択の自由」に触れることになります。そのため、制限にはある程度の範囲の指定が必要で、過去の「競業避止義務違反」についての訴訟の判例から、有効な範囲が概ねわかっています。

■転職禁止の対象者
機密情報や営業情報などを取り扱う権限を持つ者 役職者や技術者など

■転職禁止の期間
過去の判例では「1年間」が有効とされている

■転職禁止の地域
就業地や営業地域近隣での転職を禁止することは妥当
全国規模のチェーン店を持つ企業では全国を対象としても有効な場合がある

こうした内容を就業規則に定めて入社時に同意を得る、または退職時などに契約書や同意書で同意を得ることが必要になります。義務に違反した場合は損害賠償の対象となります。就業規則などの項目の定め方は、社会保険労務士などに相談した方がいいでしょう。

また、近年では同業他社への転職時に取引先や仕入れ先の情報を持ち出して転職先で利用した事例などで訴訟となったケースも増えています。そうした不法行為が損害賠償請求の対象となることは、コンプライアンス教育などで周知していくことも必要でしょう。

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