COLUMN 採用お役立ちコラム

2024.12.05

Q&A

「人手不足なのになぜ有効求人倍率が下がっているの?」採用Q&Aシリーズ

人材採用を担当するときに感じるちょっとした疑問。誰かにちょっとだけ聞きたい質問に一問一答でお答えしていくのが【採用Q&A】シリーズです。
今回のご質問は「人手不足なのになぜ有効求人倍率が下がっているの?」です。

Q:「人手不足なのになぜ有効求人倍率が下がっているの?」

A:ハローワークの求人利用がほかのメディアよりも減っているためです。

世間では人手不足が騒がれていて、実際に採用は難しくなっているのに、なぜか有効求人倍率は下がっている。そう感じられる方が多いのではないでしょうか。
これは、有効求人倍率の統計データに市場の動きが必ずしも反映されていないからだと考えられます。

非常にわかりやすい比較をすると、厚生労働省発表の有効求人倍率のグラフと、doda発表の転職求人倍率のグラフを見比べてみます。
2024年9月時点のデータの比較ですが、有効求人倍率のグラフはほぼ一年間少し下降しながら横ばいを続けています。また、有効求人数も微妙に減少が続いています。

出典:一般職業紹介状況(令和6年9月分)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44547.html

一方で、転職求人倍率のグラフは季節要因で増減はありつつも右肩上がりで上昇しています。また、求人数も増加が続いています。

出典:doda転職求人倍率レポート(2024年9月)
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

dodaのデータは民間のデータなので単純に比較することはできませんが、採用市場のデータとしては大きくかけ離れた結果が出ていることは確かです。

この違いの原因は、ハローワークでの求人数の減少にあると考えられます。
厚生労働省「雇用動向調査」の結果では、ハローワーク経由で転職した人の比率はどんどん減少しており、ハローワークでは採用ができないので求人を出さない、結果として求人数が減り有効求人倍率も減少するという流れになっています。

出典:雇用関連統計24年7月-新規求人数が前年比で増加に転じたが、低迷は継続(ニッセイ基礎研究所)
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=79513?site=nli

こういった理由で有効求人倍率は必ずしも人材採用市場の動きを反映しているとは言えない状況になっています。募集賃金決定などの際は、他の指標データも参照して市場の動きを把握しましょう。
また、当サイトではこういった市場の動きを解説するセミナーも行っています。気になる方はぜひご参加ください。
https://1049.co.jp/seminar/

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