2025.06.18
「新入社員から「うちの会社って何のために存在してるんですか」と聞かれました……」採用Q&Aシリーズ
人材採用を担当するときに感じるちょっとした疑問。誰かにちょっとだけ聞きたい質問に一問一答でお答えしていくのが【採用Q&A】シリーズです。
今回のご質問は「新入社員から「うちの会社って何のために存在してるんですか」と聞かれました……」です。

Q:「新入社員から「うちの会社って何のために存在してるんですか」と聞かれました……」
A:いきなり聞かれるとけっこうキツい質問ですよね。できる限り寄り添うスタンスでコミュニケーションをとるのが良いでしょう。
Z世代の新入社員が入社し、コミュニケーションギャップに悩む上司人事担当も多いのではないでしょうか。
「うちの会社って何のために存在してるんですか」といった、そもそも論的な質問をされるケースもSNSでは散見されます。
「え、給料もらうために働いてるんじゃないの?」とか「そんなの社長が決めることでしょ」って内心つぶやきつつも、聞かれたその瞬間、何か大事なものを突きつけられたような気がする──そんな体験をした管理職の方も多いんじゃないでしょうか。
最近の新入社員、とくにZ世代は「自分の仕事が社会にどうつながっているか」「この会社は何の役に立っているのか」といった“意味”や“納得感”を重視する傾向が強いです。会社の理念やビジョンがただの“お題目”になっていたら、すぐに見抜かれてしまいます。
では、そんな問いにどう答えたらいいのでしょう?
①まずは、自分なりの答えを持ってみる
経営陣でもない限り、会社の「存在意義」を完璧に説明するのは難しいもの。でも、現場のリーダーとして伝えられる“自分なりの言葉”は持っておきたいところです。
たとえば──
「〇〇というサービスを通じて、●●な人たちの困りごとを解決している会社だと思うよ」
「直接お客さんの顔は見えないけど、この業務がちゃんと動いてるおかげで多くの人が安心して暮らせてるんだ」
「会社全体のビジョンはこうだけど、うちの部署では××を大事にしてるよ」
など、具体と抽象をうまく行き来しながら、会社の役割を“生活者目線”で捉えると、伝わりやすくなります。
②逆に、問いを返してみる
「うちの会社って何のために存在してるんですか?」という質問は、その新入社員なりに「自分の存在意義を見つけたい」「社会とつながる実感がほしい」と思っている裏返しでもあります。
だからこそ、
「それってどう思ったの?なんでそう感じた?」
「逆に、どういう仕事なら“意味ある”と思える?」
と問い返すことで、対話が生まれます。上司が“答える人”になるのではなく、“一緒に考える人”になることで、関係性が深まります。
③“会社のビジョン”を自分の言葉で翻訳する
社内報や経営方針発表で掲げられる「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」も、ただのスローガンとして流されてしまいがち。でも、そこに込められた本当の意味を自分なりに読み取り、チームの現場にどう落とし込むかが、上司や人事の腕の見せどころ。
「うちの会社のビジョンって、言い換えればこういうことじゃない?」
「この部署の仕事って、実はこのビジョンとつながってると思うんだ」
など、“翻訳者”になることで、新人も「なるほど、自分の仕事にも意味があるんだ」と感じやすくなります。
最後に:答えを用意しておくより、対話のきっかけを作る
新入社員からの一見シビアな質問は、実は“職場を良くするためのチャンス”だったりします。
「意味がない」と感じたとき、人は心が離れます。けれど「この人と話してると納得できる」「自分の考えも尊重してくれる」と感じられる上司がいるだけで、職場はぐっと居心地のいい場所になるはずです。
完璧な答えじゃなくていい。一緒に考えるスタンスが、チームの未来をつくります。
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