2025.08.20
【採用担当者向け】採用SNSの選び方|YouTube, Instagram, TikTok,X 、自社に合うSNSとは?
「採用のためにSNSを始めたいけど、どのSNSがいいのかわからない…」 「流行っているからTikTok?やっぱり写真が映えるInstagram?」 「うちの会社に合うSNSって何だろう?」採用SNSの運用を考えたとき、誰もが一度はこの「SNS選びの悩み」にぶつかります。 実は、SNSにはそれぞれ得意・不得意があり、自社の「採用ターゲット」や「伝えたい魅力」「かけられる手間=リソース」に合わせて選ばないと、せっかく工数とコストをかけた施策が空回りしてしまうことも少なくありません。
この記事では、長年、企業の採用サポートに携わってきた弊社(天職市場)が、主要SNS(Instagram, X, TikTok, YouTube)の特性を「採用」という視点から解説。各SNSの特徴や自社に最適なSNSを見つけるための具体的なステップを解説します。
【目次】
SNSの違いは?採用SNS早見表
まず前段として、各SNSの特徴を一覧にまとめました。まずはここで、各SNSのざっくりとした特徴をご確認ください。
| SNS | 主なユーザー層 | 得意な表現 | 採用における役割 | 向いている企業像 |
|---|---|---|---|---|
| 10~30代女性が中心 | 写真・ショート動画 (世界観・雰囲気) | ファン化・共感 | BtoC企業、若手・新卒採用、社風や人の魅力を伝えたい企業 | |
| X | 20~40代が中心 | テキスト (リアルタイム・本音) | 認知・交流 | IT/Web業界、スピード感を伝えたい、求職者と対話したい企業 |
| TikTok | 10~20代が中心 | ショート動画 (エンタメ・トレンド) | 潜在層へのリーチ | 若年層にアプローチしたい、ユニークな社風、BtoCサービス企業 |
| YouTube | 全世代 | 長尺動画 (ストーリー・丁寧な説明) | 深い理解・動機形成 | BtoB企業、事業内容が複雑、企業の理念や想いを伝えたい企業 |
【4大SNS】採用における特徴を解説
それでは、各SNSの強みと弱みを、採用活用の具体例と合わせて詳しく見ていきましょう。
■Instagram(インスタグラム):社風や“人”の魅力を伝えるならばっちり
強み・特徴: ビジュアル重視のSNS。写真やショート動画(リール)を通じて、企業の「世界観」や「雰囲気」といった定性的な魅力を伝えるのが得意です。求職者は、ここで働く人々の表情やオフィスの様子を見て、自分がその会社(職場)にいる姿を想像します。
採用での使い方:
- フィード投稿: 社員紹介、社内イベントの報告、オフィスツアー
- リール/ストーリーズ: 若手社員の一日Vlog、社員同士のQ&A、説明会までのカウントダウン
向いている企業: 社内の風通しの良さや、働く社員の人柄を最大の魅力としたい企業。特に新卒採用や20代の若手採用との相性は抜群です。
運用工数とハードル:★★★☆☆(標準)
- コンテンツ制作: 写真や画像の「質」と「世界観の統一」が求められるため、一定の手間がかかります。スマホでの簡単な加工でも可能ですが、デザインツールを使えるとクオリティが上がります。リール動画の制作は、企画から撮影、編集まで必要です。
- 投稿頻度: フィード投稿は週に2回程度、ストーリーズはできればほぼ毎日更新するのが理想です。
- 必要なスキル: デザインの基礎知識、写真撮影・加工スキル、簡単な動画編集スキル。
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■TikTok(ティックトック):動画で“空気感”を伝え、潜在層にリーチ
強み・特徴: エンタメ性の高いショート動画が中心。レコメンド機能が強いため、立ち上げ当初でもコンテンツが良ければ、多くのユーザーに届く(バズる)可能性があります。まだ就職・転職を考えていない層に、企業の存在を知ってもらう「認知獲得」に効果を発揮します。
採用での使い方:
- オフィスのあるあるネタ、仕事紹介を面白く表現した動画
- 社員がトレンドのダンスや企画にチャレンジする動画
- 採用担当者が質問に答えるVlog
向いている企業: 10代〜20代のZ世代にアプローチしたい企業。ユニークさや、楽しいことが好きなカルチャーを持つ企業は、その空気感をダイレクトに伝えられます。
運用工数とハードル:★★★★☆(難しい)
- コンテンツ制作: 運用負荷は高めです。動画の「企画力」や「出演者」が重要です。トレンドを常に把握し、自社にどう落とし込むかを考え続ける必要があります。撮影・編集も必須です。
- 投稿頻度: 週に2回以上の投稿が望ましいとされています。
- 必要なスキル: 動画の企画・構成力、動画編集スキル、世の中のトレンドを察知し、面白がるセンス。担当者の個性やキャラクターも重要になります。
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■YouTube(ユーチューブ):長尺動画で“ストーリー”を語り、理解を深める
強み・特徴: 時間をかけてじっくりと情報を伝えられるプラットフォーム。企業の理念やビジョン、事業内容やお仕事の奥深さ、社員一人ひとりのキャリアストーリーなど、テキストや写真だけでは伝えきれない重厚な情報を届けるのに最適です。
採用での使い方:
- 社長が自らの言葉で企業の未来を語るメッセージ動画
- 一人の社員の入社から現在までを追ったドキュメンタリー風インタビュー
- オンライン会社説明会のアーカイブ動画
- 仕事の裏側を映して興味喚起する動画
向いている企業: 作業系(ドライバーや警備など)や世間イメージとギャップがある職種や企業。企業や仕事のやりがいを理解をした上で入社してほしいと考える企業におすすめします。
運用工数とハードル:★★★★★(とても難しい)
- コンテンツ制作: 4つのSNSの中で最も工数がかかります。「企画→台本作成→撮影→動画編集→サムネイル作成」という一連の工程が必要で、1本の動画を公開するのに数日かかることも珍しくありません。
- 投稿頻度: 頻度よりもクオリティが重要。まずは月に2本~週に1本の継続を目指すのが現実的です。
- 必要なスキル: 視聴者を飽きさせない企画・構成力、本格的な動画編集スキル、クリックしたくなるサムネイルのデザインスキル。
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■X(旧Twitter):リアルタイムな情報発信と“中の人”の個性で繋がる
強み・特徴: リアルタイム性と拡散力が最大の武器。140字という手軽さから、企業の「今」をスピーディーに発信できます。公式発表だけでなく、採用担当者の“中の人”が人間味あふれる投稿をすることで、求職者との心理的な距離を縮めることができます。
採用での使い方:
- 説明会や選考のリアルタイム告知
- 業界ニュースに対する自社の見解を発信
- 「#今日のランチ」「#オフィス猫」など、カジュアルなオフィス風景の投稿
向いている企業: IT・Web業界など、時事ネタやノウハウ情報など鮮度ある発信が重要な業界。求職者からの質問にもスピーディーに答え、オープンなコミュニケーションを取りたい企業に最適です。
運用工数とハードル:★★☆☆☆(比較的容易)
- コンテンツ制作: テキストが中心なので、スマホ一つあれば投稿可能です。コンテンツ制作のハードルは最も低いと言えます。
- 投稿頻度: リアルタイム性が重要視されるため、投稿頻度は高めが理想。1日に複数回の投稿や、他者への返信・交流も求められます。
- 必要なスキル: 情報を簡潔にまとめるライティング力、世の中のトレンドを追う情報収集力、求職者と対話するコミュニケーション能力。
自社に最適な採用SNSを選ぶための3ステップ
それぞれの特徴がわかった上で、いよいよ自社に合う媒体を選ぶステップです。以下の3つの問いに順番に答えていくことで、進むべき道が明確になります。
ステップ1:「誰に(採用ターゲット)」届けたいか?
まず考えるべきは、採用したい人物像(ペルソナ)です。「20代の若手エンジニア」なのか、「地方在住の30代営業経験者」なのか。ターゲットが普段、情報収集にどのSNSを最も利用しているかを考えれば、選ぶべき媒体はおのずと絞られてきます。
ステップ2:「何を(伝えたい魅力)」アピールしたいか?
次に、自社の「武器」は何かを考えます。これは採用ブランディングの核となる部分です。もし武器が「社員の仲の良さや温かいカルチャー」ならInstagram、「専門的な技術力や事業の将来性」ならYouTubeやX、といったように、伝えたい魅力とSNSの特性を掛け合わせます。
ステップ3:「どうやって(運用リソース)」続けるか?
最後に、現実的な運用体制を考えます。「動画編集ができるメンバーはいるか?」「毎日投稿する時間はあるか?」など、背伸びしすぎない計画を立てることが継続の秘訣です。無理なく、しかし確実に続けられる媒体を選ぶことが、遠回りのようで一番の近道です。
まとめ:最適なSNS選びが、採用ブランディングの成功を左右する
ここまで見てきたように、採用SNSは「流行っているから」という理由で始めるのではなく、「自社の採用戦略に合っているか」という視点で選ぶことが何よりも重要です。
そして、複数のSNSを戦略的に連携させる(例:Xで広く認知させ、YouTubeで深く理解してもらい、Instagramでファンになってもらう)ことで、採用効果はさらに高まります。
採用活動でSNSを検討中の企業様
「結局、うちの会社に合うSNSがどれなのかわからない」
「SNSやりたいけどどうすれば?」といった気軽なご相談からでもかまいません。
ぜひSNSも採用の武器にし、求職者から選ばれる会社にしていきましょう。
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