COLUMN 採用お役立ちコラム

2025.08.29

【採用担当向け】採用ミスマッチはなぜ起こる?入社後の活躍に繋がる対策を紹介

「面接では素晴らしいと感じたのに、入社してみると何か違う…」 「スキルは高いはずなのに、チームに馴染めず、力を発揮できていない…」「入社してすぐに退職してしまった」このような「採用ミスマッチ」は、採用コストの損失だけでなく、チームの士気低下にも繋がる深刻な問題です。

この記事では、なぜ採用ミスマッチが起こるのかを、求職者の価値観から解説し、採用段階でミスマッチを防ぎ、入社後の活躍に繋がる「幸せなマッチング」を実現するための本質的な5つの対策を解説します。

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そもそも「採用ミスマッチ」とは?

採用ミスマッチとは、採用した人材が入社後に「自社に合わない」ことが判明し、早期離職やパフォーマンスの低下に繋がってしまう状態を指します。
重要なのは、ミスマッチが単なる「スキル不足」だけを意味するのではない、という点です。採用ミスマッチは、主に以下の3つの側面から考えることができます。

スキル・能力のミスマッチ: 候補者が持つスキルや能力が、求められる業務レベルに達していない状態。
カルチャー・価値観のミスマッチ: 企業の文化や風土、価値観と、候補者の働く上での考え方や人間性が合わない状態。
期待値・認識のミスマッチ: 候補者が入社前に抱いていた仕事内容や働き方、キャリアパスに関するイメージと、入社後の現実に大きなズレがある状態。

特に近年では、スキル面以上に「カルチャー・価値観」や「期待値・認識」のミスマッチが、早期離職の大きな原因となっています。

「たかがミスマッチ」では済まされない。放置がもたらす3つの経営リスク

採用ミスマッチを「よくあること」として軽視し、放置してしまうと、企業は静かに、しかし確実に蝕まれていきます。具体的なリスクは以下の3つです。

1. 採用コストと工数の増大
ミスマッチによる早期離職が発生すると、その採用にかけた求人広告費、人材紹介手数料、そして採用担当者や面接官の人件費といったコストと工数が全て水の泡となります。さらに、欠員を補充するために、再び同じコストと工数をかけて採用活動をやり直さなければならないという、負のスパイラルに陥ります。

2. 組織全体の生産性低下と士気の悪化
フィットしない社員は、本来のパフォーマンスを発揮できないだけでなく、周囲の社員がサポートに時間を割くなど、チーム全体の生産性を低下させる要因になり得ます。また、人の入れ替わりが激しい職場は、既存社員に「うちの会社は大丈夫か?」という不安や不満を与え、全体の士気を著しく下げてしまいます。

3. 企業ブランド・評判への悪影響
早期離職した元社員が、口コミサイトやSNSでネガティブな経験を共有する可能性は十分にあります。「人がすぐ辞める会社」という評判が広がると、将来的に新たな優秀な人材を惹きつけることが一層困難になり、採用競争力が長期的に低下するというリスクを招きます。

なぜ採用ミスマッチは起こるのか?求職者の価値観から探る

では、こうしたリスクの根源であるミスマッチは、なぜ起こってしまうのでしょうか。その背景には、現代の候補者、特にZ世代の価値観と、企業の情報発信との間に存在する「ズレ」が大きく影響しています。

1. 最大の原因は「入社前後の情報ギャップ」
早期離職の最大の引き金でもある、入社前に抱いていたイメージと現実とのギャップ。ある調査では、新入社員の約8割がこのギャップを感じています。特に問題となるのは、求人票のスペックだけでは分からない「職場の雰囲気」「上司・同僚との人間関係」「実際の業務内容」といった、定性的な情報の食い違いです。

2. 「転職はポジティブ」なZ世代のシビアな視点
Z世代にとって、転職はキャリアを主体的に形成するためのポジティブな手段です。「この会社にいても成長できない(タイムパフォーマンスが悪い)」と感じれば、すぐに見切りをつけることに心理的な抵抗が少ないのが特徴です。これはつまり、彼らがミスマッチに対して非常に敏感であり、企業側には採用段階でこれまで以上に高いマッチング精度が求められていることを意味します。

3. 企業が発信する情報と、候補者の「知りたい情報」のズレ
多くの企業は自社の事業内容や福利厚生といった「スペック」をアピールしがちです。しかし、候補者が本当に知りたいのは「その会社で、どんな人たちと、どんな雰囲気で、どのように働くのか」というリアルな情報です。この「発信する情報」と「知りたい情報」のズレが、入社後のギャップ、すなわちミスマッチを生み出す大きな原因となっています。

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採用ミスマッチを防ぎ、幸せなマッチングをするための対策

では、どうすればこの情報のズレをなくし、マッチングの精度を高めることができるのでしょうか。重要な5つの対策をご紹介します。

1. 「採用ブランディング」で“正直な自己紹介”の軸を作る
全ての対策の土台です。まず、自社が「どんな価値観を持つ人に来てほしいか(採用ペルソナ)」を明確にします。その上で、その人物に響く自社ならではの魅力や働く価値(EVP)を、良い面も、時には厳しい面も含めて正直に言語化します。この「正直な自己紹介」の軸を定めることが、ミスマッチを防ぐための第一歩です。

2. 採用サイト・SNSで「知りたいリアルな情報」を届ける
採用ブランディングで定めた軸に基づき、候補者が本当に知りたい「リアルな情報」をコンテンツとして発信します。

● 採用サイト: 成功体験も失敗談も語る社員インタビューや、具体的な1日の仕事の流れを紹介する。

● 採用SNS: 加工されていない普段のオフィスの様子や、社員同士の何気ないコミュニケーション風景を発信する。

これにより、候補者は入社後の働き方を具体的にイメージでき、ミスマッチのリスクを大幅に低減できます。

3. 選考プロセスを「相互理解の場」に変える
面接を、企業が候補者を一方的に評価する場ではなく、お互いの理解を深める「対話」の場と位置づけましょう。候補者の価値観や仕事観を深く知るための質問を投げかけると同時に、自社の良い点だけでなく、課題や乗り越えるべきハードルについても正直に話す。このオープンなコミュニケーションが、信頼関係を築き、本音でのマッチングを可能にします。

4. カジュアル面談で「カルチャーフィット」を見極める
選考とは別に、現場社員と候補者が気軽に話せる「カジュアル面談」は、カルチャーフィットを見極める上で非常に有効です。候補者はリラックスした雰囲気で本音の質問ができますし、企業側も候補者の素顔を知ることができます。お互いが「素」の状態で対話することで、価値観レベルでのマッチング精度を高めます。

5. 「受け入れ現場」の情報を積極的に開示する
ミスマッチの多くは、配属されるチームとの間で起こります。選考段階で、配属予定先のマネージャーやチームメンバーと話す機会を設けましょう。候補者は、直属の上司や同僚となる人たちの人柄やチームの雰囲気を事前に知ることができ、「この人たちとなら働けそうだ」という納得感を持って次のステップに進むことができます。

まとめ:採用マッチングとは、企業と候補者による「相互の選択」

採用ミスマッチを防ぐために最も重要なこと。それは、採用活動を「企業が候補者を選ぶ」という一方的なプロセスではなく、「企業と候補者がお互いを選び、見極める」という対等なプロセスであると認識を改めることです。

そのために、企業は自社の「本当の姿」を正直に発信し、候補者との対話を重ねていく。その丁寧なコミュニケーションの先にこそ、入社後の活躍に繋がる「幸せなマッチング」が待っています。

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