COLUMN 採用お役立ちコラム

2025.02.17

Q&A

「解雇規制は緩和されますか?」採用Q&Aシリーズ

人材採用を担当するときに感じるちょっとした疑問。誰かにちょっとだけ聞きたい質問に一問一答でお答えしていくのが【採用Q&A】シリーズです。
今回のご質問は「解雇規制は緩和されますか?」です。

Q:「解雇規制は緩和されますか?」

A:解雇規制の緩和は度々話題になっていますが具体的な見直しの動きはありません。

解雇規制の緩和については、政治の節目や経済の変化の際に折に触れて話題に上ります。特に、選挙や総裁選などのテーマとして挙げられることが多いようです。2024年の自民党総裁選でも「解雇規制」について取り沙汰されました。

「解雇規制」って?
度々言及される「解雇規制」ですが、実際にはどういった規制なのでしょうか。
具体的に法律で言うと、解雇について定めているのは「労働基準法」と「労働契約法」です。このうち労働基準法は、解雇を30日前に予告することや、病気や出産を理由として解雇することを禁止するなどを定めています。もう一つの労働契約法では、

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は解雇無効

と定めています。これを基に、会社の解雇が不当であると訴訟するケースが多く、裁判所の判断が実質的な解雇規制になっているといわれています。「客観的な合理性」や「社会通念上相当」の判断は4つの要件から判断されていて、通称「整理解雇の四要件」と呼ばれています。

1.人員整理の必要性が妥当
経営不振などやむを得ない理由があるか
2.解雇回避の努力が行われている
希望退職や出向、一時帰休など解雇を回避するための動力が実際に行われたか
3.解雇の対象者選定が合理的か
解雇する人員の選定基準が合理的で公平か
4.解雇手続きが妥当か
労働組合や労働者代表と協議し納得を得る努力が行われたか

こういった解雇の手続きが踏まれてない場合には、不当解雇や解雇無効の判断を求めて訴訟が行われ、会社側が敗訴するケースも珍しくありません。

以前はこの四要件がすべて満たされていないと解雇できない、とされていましたが、近年では個別のケースごとに解雇の背景や実際の対応が判断されるようになっています。

また、人手不足を背景に転職する人が増えるなど、社会全体の人材流動性は増しているため、会社のコスト改善のために強引な整理解雇を行うケースは減っています。
終身雇用制度を背景にした解雇規制緩和の議論は今後も続くと見られますが、具体的に法改正が行われる予定は今のところありません。

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